なつめのひとりごと
贈呈した分を合わせると今日は新刊が17部ほど売れたことになる。
昨日はいつになっても新刊が届かず部屋で泣きながら「今まで一人で元彼のこと思い出してしんどくなりつつ描いた集大成の漫画が届かないなんて芸祭でなすこと成せないじゃないか」と落ち込んでいた。ご飯が喉を通らなくて水分をちまちま飲み、ずっと窓からトラックが現れないか見ていた。こない、佐川のトラック。こない。
シフトも結局隊長に全部変わってもらった。申し訳なかった・・・。
21時ごろ、申し訳なさそうに漫画が届く、思いの外重い。
30部に予備として4部ほど多く入っていた新刊は、綺麗に製本されてやってきた。感動した。
自分が描いた漫画がちゃんと綺麗に製本されている・・・!!!!
これがどのくらいの人の手に渡るのか私は予想していなかったので、「まぁ20部いけたら最高だな〜〜〜」と、思っていたのだった。
初めて漫画をちゃんと製本をした。漫画を製本したいという昔からの夢が叶った。まさか、元彼との話を初めて製本することになろうとはかつての私は想像していないだろう。そもそも、彼氏ができることも、別れることも想像つかないだろう。私も、信じがたい。こんな私にでも恋人がいた期間ってのがあったのだ。あるんだなー。そんなこと。好きという気持ちに嘘はないが、果たしてあれは現実だったのだろうか。
今、胸が苦しいのが現実を物語っている。
現に、描き終えた今も苦しくなるのだ。部屋で一人になると。
部屋にはいろんな思い出が詰まっている。
初めて付き合ったことになった場所
朝日が昇る部屋で握手して、めざまし占いを見たら蟹座が1位で魚座が4位くらいだったはず。
そして別れた場所。私がいれたコーヒーを飲んで出て行った冬の朝。
一緒にご飯を食べたり映画をみたり
女装させてゲラゲラ笑ったのもここだ。
誰もいない部屋に一人が当たり前だったのに
いつしかそこに1人加わって
知らぬ間にそれが当たり前のように感じて
そんなことはないのに、恋人が当たり前なんかじゃないのに
失ってから想像を絶するくらいの喪失感を味わった。
私は、本当にこの人のことがそんなに好きだったのか。
何回も何回も頭の中でぐるぐると回転する思考回路
周りから言われる言葉に一喜一憂して振り回され
挙げ句の果てには別れた後の元彼にも何度か振り回され
大事にしてくれていた友だちは知らぬ間に元彼とどこか遠いところに行こうとしている。
「ああ。行かないでくれよ」
「別れた挙句に私の友だちまで元彼が奪っていくの・・・なんで。」とも思ってしまった。
悔しい、苦しい
悲しい、悔しい
でも、応援したい。したくない。
見たい、見たくない。
そんな葛藤をしていたら知らぬ間に元彼はもっと知らないところにいっていた。
私の知らない彼氏ヅラをした元彼をみたときにはめちゃくちゃぐっちゃぐちゃな心情になった。もう、ああ、そうなんだ。そういう男だったんだなとおもった。何を期待していたのだろう私は。バカみたいだった。いや、私はバカだ。ずっとずっと好きになってしまった時から負け犬なのだ。結局私のわがままな感情なのだ。わがままの押し付け。ああ。憎い。こんな自分が惨めで憎い。
部屋で酒を飲んだ。20歳になってまだ2週間くらいだったと思う。もう吹っ切れていたようで吹っ切れてないのか。でも。もうどうでもいいだとかどうでもよくないだとかそんな感じなので曖昧なので「どうでもいいんじゃね」って言い聞かせていた。だって、今のあの人ださいじゃん。なんかすごください。みてて気分悪いし(失礼)とか思ったけど、それが果たして真の気持ちなのか、今の私にはわからない。わからない。
私は私の気持ちがすぐにはよくわからない
だから漫画にして
少しでも今、思い出して感じたことを絵と言葉に託した。
今かけるゆるいキャラに黒いセリフと感情をのせて。
既刊と並べると出来の違いが一目瞭然である。
ああ、ちゃんと入稿できてよかった1日遅れたけど。
2日目の今日
土曜日だったからか人が多かった。ありがたい。
新刊を誰が手に取ってくれるかなとワクワク
学内の有名な子、憧れの人みんな興味深そうに新刊をのぞいて購入してくれた。嬉しい。
身内にはウケるだろうなとぼんやり思っていたら
「あの」
と、声をかけられた。
「私もこれ、言われたことあります」
表紙に書かれた元彼のセリフを指差してその方はおっしゃった。
「えっそうなんですか!?!?この人バンドマン(だけど去年はソロでやってた)だったんですよ」
「えっ私の元彼もそうです!!」
そこで意気投合
試し読みしてくださって最終的にご購入。ありがとうございました。
まさか似たような境遇の方が目の前に現れると思わないじゃないですか。引き寄せてくれたご縁なんでしょうか。ありがとうございました・・・。
そして、ブログの読者の方にも話しかけてもらって新刊を買っていただけたことがびっくりしてしまって・・・私が思っている以上にここを読んでくださっている方がいることを身をもって感じました。こんな闇深い個人的な話しかしてないのに面白がってくれてありがとうございます。今後ともこんな私ですがよろしくお願いします。
2019.1026
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